外国語学習アイデア色々

アメリカ人に日本語を教える時の経験、悩み、教材を考えよう。

反論 力付けよう すべてに

貨幣供給を増やせば増税は必要ない」:耳障りのいい説だけれど、すぐに信じてはいけない。Not trueと反論する余地がないか、一度は考えておきたい。……。

このように、あらゆる主張に対して「自己反論」するくせをつけよう。そうすれば的外れな意見を漏らして失笑を買う危険性は低くなるし、社会問題や経済、政治について話をするときにも役に立つ。最低限「くるであろう反論」を予測しておけば議論が噛み合う。妥当な反論を受けてハッとさせられた時に、冷静に受け止めることができる。「自己反論が足りなかった」と反省することができれば、相手に論破されても感情的にならずに済む。



かつて日本人は、今よりも新聞をよく読み、新書を買いあさり、ドキュメンタリー番組を好んでいたという。社会問題に対するリテラシーが高かったという。本当だろうか? その当時を私は知らないし、簡単には納得できない。

また現在ではインターネットの登場により情報源が複線化され、以前のような情報統一ができなくなったという。本当だろうか? ツイッターやフェイスブックを確認するまでもなく、私たちはネット社会のなかでクラスター化している。おきまりのトップページを開き、いつものブログを巡回し、見慣れたTLに安住している。そんな環境から摂取する情報は、むしろ現在のほうが単一・均一なものに偏っているのではないか。

あらゆる「本当っぽいこと」を一度は疑ってみよう。「デマこいてんじゃねえ」と言ってみよう。そういう訓練を積まなければ、常識にとらわれない柔軟な視点は育たない。相手の反論を受け止める余裕も生まれない。

完璧な知識を持つ人はいない。なんでも知っている人はいない。だからこそ人は必ず間違える。その間違いを誰かに指摘してもらえなければ——反論されなければ、人は成長できないのだ。

だからもっと反論をしよう。

現実世界の問題は「きのこVSたけのこ」論争よりもはるかに複雑で面白いのだから。